千里中央再開発の方針と行政の意図―資料から読み解く将来像
行政が公開している膨大な資料の中から、
再開発のキーポイントとなる資料を解説します!
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出典 千里中央地区活性化基本計画 <改定版>
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千里中央地区活性化協議会とは
・まちびらきから半世紀が経過し、施設や都市機能の更新等の必
要性がますます高まっている。
・こうした状況から千里中央地区の活性化にむけて、官民協働で
取り組むべく、東町エリアに土地の所有権又は借地権を有する企
業又は団体、関連事業者と行政により、平成28年(2016年)に千里
中央地区活性化協議会が設置された。
【追加された主な内容】
改定版の内容(施設計画)
全体:バス乗降場の集約化/新千里東町4号線の改廃の検討/千里中央2号線の双方向化
駅西街区:商業施設等の再整備/道路上空利用
駅東街区:千里阪急百貨店とセルシーの大街区化による商業施設/道路上空利用
【従前の主な内容】
全体:商業施設や公共施設等の適正な再配置/「関連区域」との連携
駅西街区:商業・業務・宿泊・高度医療等による高度利用
駅東街区:百貨店・物販・飲食・サービス・エンターテイメント
公園南街区:駅東街区との一体整備/千里東町公園と連携した交流機能や居住機能等の検討
協議会参加団体名(五十音順)
株式会社朝日新聞社
イオンモール株式会社
エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社
大阪モノレール株式会社
一般財団法人信用保証サービスセンター
公益財団法人大阪府都市整備推進センター
北大阪急行電鉄株式会社
ケネディクス・オフィス投資法人
株式会社ザイマックス関西
シップヘルスケアエステート株式会社
豊中市千里文化センター「コラボ」
阪急電鉄株式会社
阪急阪神不動産株式会社
株式会社ヤマダ電機
株式会社読売新聞大阪本社
大阪府
豊中市
(オブザーバー)
大阪ガス株式会社
関西電力株式会社
独立行政法人都市再生機構
西日本電信電話株式会社
阪急バス株式会社
基本計画とは
●基本計画について
基本計画は「まちづくりの理念と方向性」を実現するため、
関係各者が取り組むべき方針や方策を示す指針であり、近年
の情勢等の変化を踏まえた「千里中央地区「東町エリア」の
将来像」等を示したうえで、今後関係各者が取り組むべき方
針とその例示を示すため、千里中央地区活性化協議会が策定
した。
⚫基本計画は『活性化ビジョン』で示された「まちづくりの理念と方向
性」の実現に向け、官民協働による適切な役割分担のもと、今後、関
係者が取り組むべき方向性や方針を示し、千里中央地区のさらなる活
性化を図る指針として定めたものです。
⚫基本計画策定後、新型コロナウイルスなど様々な社会・経済状況の変
化があり、これらの変化にしなやかに対応できる構想を打ち出してい
く必要が生じたことを受け、基本計画<改定版>をとりまとめました。
第1章 基本計画の位置づけ
<基本計画策定後の千里中央地区に関連する変化>
北大阪急行電鉄延伸・千里セルシーの閉館・オトカリテの閉館・
千里中央公園再整備・UR新千里東町団地建替え・東丘こども園建替え・
千里阪急ホテルの閉館(予定)
第2章 千里中央地区「東町エリア」の将来像
新・千里スタイルとは?
千里中央地区である、東町エリアの将来像として以下が示されました。
北部大阪をリードする新・千里スタイルの実践・発信拠点
具体的には・・・
1.ビジネス・生活・集客が適度にミックスし
バランスの取れた魅力ある機能が展開する
コンパクトな複合拠点
キーワードは
都市性と自然環境のバランス
商業機能の幅広さと適切な規模
With/Afterコロナの生活様式
時代の変化への対応
ニュータウンとの関係
生活と密着
多様な都市機能と魅力(商業・ビジネス・学術交流・文化など)
2.千里らしい安全・安心でサスティナブルな生活・働き方を実現するまち
キーワードは
豊な自然環境
生涯学習
健康志向
安全安心・BCP
脱炭素
老朽化への対応
みどり・公園の近接性
子育てしやすい
地球環境への配慮(スマートシティ)
3.北大阪の中核的な都市拠点として、市民の愛着に根差したシンボル的なまち
広域拠点・生活拠点
シンボル性
地域の景観
多世代・新世代
次代に継承
北摂・北大阪におけるブランド
市民の誇り・愛着
地域交流・文化交流
4.あらゆる人によって便利で居心地よく歩いて楽しいまち
交通利便性、様々な交通手段
バリアフリー
次世代モビリティ
移動しやすい、アクセスしやすい、わかりやすい
回遊性
賑わい、憩いの空間
第3章 まちづくりの取組み方針
方向性1:北部大阪の中核的な都市拠点を形成する
方向性2:千里ニュータウンの地区センター機能を充実する
方向性3:快適な回遊動線や広場空間を充実・再構築する
方向性4:環境配慮や防災性向上を目指したインフラ整備や取組みを推進する
方向性5:エリアマネジメントや市民参加により持続的・発展的にまちを育てる
方向性1:北部大阪の中核的な都市拠点を形成する
• 北部大阪の都市拠点にふさわしい高次都市機能を導入する。
• バス乗降場等を集約・再配置や乗継利便性の向上により、ターミナル機能を
強化する。
• 千里ニュータウンの顔となる、賑わいやコミュニティの核になるシンボル空
間を形成する。
方向性2:千里ニュータウンの地区センター機能を充実する
• 千里に住まう多世代のニーズを満たす生活利便機能を充実する。
• 多様な都市魅力や価値を創造する文化交流機能を充実する。
• 駐車場の適正な配置・運用により、交通負荷を低減する。
• 自転車・バイクのアクセス動線に応じた利用しやすい自転車駐車場等を整備
する。
方向性3:快適な回遊動線や広場空間を充実・再構築する
•高質で連続した歩行者ネットワークの拡充により、地区全体の回遊性を高め
る。
• デッキを含む歩行者動線に沿って賑わいや潤いのある連続した街並みを形成
する。
• 周辺の緑豊かな環境と連携した、緑の回遊ネットワークや憩いの場を創出す
る。
方向性4:環境配慮や防災性向上を目指したインフラ整備や取組みを
推進する
• 施設の機能更新等にあわせて、効率的なエネルギー利用を促進する。
• 環境に対する市民意識の更なる向上を図り、環境にやさしいライフスタイ
ルを実践する。
• 「人的被害の抑制」「立地企業の事業継続の確保」を図るため、災害対策
の整備に取り組む。
• 平常時から勉強会や訓練を定期的に開催し、防災意識の啓発・高揚や地域
連携の強化を図る。
方向性5:エリアマネジメントや市民参加により
持続的・発展的にまちを育てる
• 地域・事業者等が連携し、パブリックスペースの利活用を促進することで、
地区全体での賑わい創出・情報発信に取り組む。(イベント等の企画・運
営、エリアプロモーション等)
• 公共空間の質の高い維持管理・改善により、地区内の快適性・回遊性を向
上する。(広告物・サインの自主ルール策定、清掃等の管理水準の向上、
放置自転車対策等)
第4章 官民協働による千里中央地区の再整備
千里中央地区の再整備コンセプト
都市格に適した高質で賑わいの絶えないまちを実現
多様な魅力に富む競争力ある一大商業核を形成
地区課題の解決にとどまらない未来志向のより良いまちづくり
回遊しやすい歩行者中心のまち、来街者や周辺居住者のサードプレイスを提供
第4章 官民協働による千里中央地区の再整備
【施設配置計画】
• 大街区化等による商業施設等や公共施設等の適正な再配置
• 将来像として示す「新・千里スタイル」の実現に向けた都市拠点の形成、都市機
能の再編・導入を行う
• 広場空間(セルシー広場を継承した新たな広場等)の整備や周辺環境と調和した
緑化施設等の導入
• 地区全体で偏りなく回遊が生まれ、賑わうよう、東西両街区に商業施設等を配置
するとともに、新たに整備する多様な機能の融合・連携による相乗効果を図る
• 施設間のバリアを極力感じさせないような一体感を持たせるとともに、地区全体
で店舗・サービス等に一大商業核にふさわしい多様性を備え、周辺に立地する商
業拠点並みの施設規模を確保
• 民間施設の更新等と一体的に公共施設の整備や都市機能の導入等を図り、再整備
を効率化
第4章 官民協働による千里中央地区の再整備
【自動車交通計画】
• バス乗降場等を中央改札周辺に集約し、行先方面別に東西にコンパクトに
再配置
• バリアフリー化や快適な待合空間整備など、利便性や快適性、安全性の高
い駅前広場の再整備
• 道路ネットワークを当地区の将来形に合わせ再編
(千里中央2号線の全線対面通行化と新千里東町第4号線等の改廃の検討、
千里東町外回り線の付替えの検討、バスと一般車の動線の分離、来退場車両
動線の効率化や通過交通の削減)
第4章 官民協働による千里中央地区の再整備
【歩行者・自転車動線計画】
• 2階(デッキ)レベルを歩行者の基本動線とし、地区内の施設間の回遊性の向
上を図る
• 公共交通へのアクセス動線の機能向上を図るため、立体的かつ重層的に歩行者
動線を設け、縦動線も充実
• 地区内及び地区の内外を結ぶ歩行者動線の拡充
• 商業施設等の再整備と一体となった、連続的で利便性の高い快適な歩行者ネッ
トワークを形成
• 公共交通機関間の乗継利便性を改善
• 地区内外を結ぶ自転車通行空間を確保し、自転車交通の安全性や利便性を向上
第5章 『基本計画』の推進等
• 地区の活性化に向けた各種事業は、事業実施主体が『基本計画』に基
づき実施する。
• 協議会は、その進行管理を主な役割とし、事業の実現に向けた協議・
調整等に取り組む。
• 今後、事業の進捗に応じて効率的・効果的な組織の再編を行い、地区
の将来像の実現に取り組んでいく。
★千里中央再開発―行政の考え方の分析
千里中央再開発における行政の考え方は、大きく分けて以下の特徴が読み取れます。
1. 官民協働による再開発推進
行政は、民間企業・団体との協議会を通じて再開発を進める方針を明確にしています。
協議会には、鉄道会社・百貨店・モール運営会社・不動産会社・行政機関など、多様な関係者が参加しており、再開発の企画から施設整備までを官民一体で進める仕組みを整えています。
これは、行政単独では実現が難しい都市機能の更新や大規模施設再整備を、民間のノウハウと資金力を活用して効率的に進める意図を示しています。
2. 都市拠点としての質・規模の重視
行政は「北部大阪の中核都市拠点」として千里中央を位置づけ、高次都市機能の導入や賑わいの創出を重視しています。
具体的には、駅前のターミナル機能強化や大街区化による商業集積、広場や緑化施設の整備、回遊性の高い歩行者動線の確保などです。
これは、単なる商業施設の更新にとどまらず、「都市の象徴・シンボル空間」としての役割を意識した再開発であることを示しています。
3. 多様な生活ニーズへの対応
基本計画では、多世代の生活ニーズやコロナ後のライフスタイルへの対応が強調されています。
商業・文化・交流・学術など複合的な都市機能の導入
安全・安心でサスティナブルな生活環境の確保
公共交通・自転車・徒歩動線の利便性向上
行政は、地域住民の生活利便性や日常利用に密着した都市拠点を目指す姿勢を示しています。
4. 環境・防災・持続可能性の重視
行政は、再開発を単なる建物更新ではなく、環境・防災・サステナビリティの観点からも位置づけています。
施設更新に伴う効率的エネルギー利用の促進
災害対策やBCP(事業継続計画)の整備
緑地や公園との連携による快適な生活環境の創出
これにより、行政は「地域の将来世代も含めた持続可能なまちづくり」を重視していることがわかります。
5. 市民参加とエリアマネジメント
行政は、再開発を進めるだけでなく、地区内の賑わい創出や公共空間の維持管理に市民や事業者を巻き込む方針を示しています。
イベント企画や清掃活動、広告物・サイン管理などを通じて、市民参加型のまちづくりを推進する意図があります。
これは、再開発後の街が単なる商業集積ではなく、地域コミュニティとして活力を持続させるための施策です。
総合的な分析
行政の考え方を総合すると、千里中央再開発は単なる建物更新や商業規模拡大ではなく、
北部大阪の中核拠点としての都市格向上
生活・文化・交流・学術を融合した複合都市形成
安全・安心・環境配慮を組み込んだ持続可能なまちづくり
官民協働と市民参加による街の活力維持
これらを同時に実現することを目指した「総合的・未来志向の都市再生プロジェクト」と位置づけることができます。
行政は、これらの方針を明確に示すことで、再開発の意義や方向性を住民・事業者に理解してもらいながら、実現可能性を高めようとしていると分析できます。
この記事を書いた人
Kawauchi(北千里在住/地域清掃ボランティア20年以上)
北千里で生まれ育ち、現在も家族とともに北千里で暮らしています。
地元の再開発が住民の生活や未来世代のために望ましい形になることを願い、
独自調査・行政への問い合わせ・議員への要望などを通じて情報収集・分析を行っています。
数学科大学院修了(理学修士)。
論理と数字を根拠にした客観的視点で、北千里・千里中央再開発について発信中。
地域の未来に関心を持つ方々と、正しい情報に基づいて
より良い街づくりを考えるプラットフォームを目指しています。
🏛 今村議員からの回答
再開発の方向性がわかる貴重なご意見です。
👉
署名のご案内
千里中央再開発は、現在の計画では
実質的に縮小型再開発となる可能性があります。
私たちは反対や中止を求めるものではなく、
北摂の中核都市にふさわしい規模と将来像について、
市民が納得できる規模・将来像・完成イメージの説明と再検討を求めて
署名を行っています。
👉 https://voice.charity/events/11089
プロフィールはこちら。
千里ニュータウンの未来を守る会(SFD)
※本会は、筆者個人が代表を務める任意の市民活動です。
私たちは、この街の未来のために活動しています。
共感いただける方は、ぜひ一緒に声を届けてください。
※本件については、現在 議員の方々とも情報共有しながら
千里ニュータウンの将来のための提案を進めています。
