第3弾:千里中央・東街区「延床10万㎡」の裏側
― 駐車場・延床率・将来需要を徹底チェック ―
📌 私は北大阪で20年以上、地域清掃ボランティアとして街と向き合ってきました。
千里中央は北大阪の中心都市として、将来世代に引き継ぐべき役割を担っています。
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千里中央東街区の再開発計画で、ひときわ目を引く数字があります。
それが 「延床面積 約10万㎡」 という規模です。
一見すると
「さすが北大阪の中核、かなり大きな再開発だな」
と感じるかもしれません。
しかし本当に重要なのは、
この10万㎡が「何で構成されているのか」
そして
将来の需要と噛み合っているのか
という点です。
今回はこの「延床10万㎡」の中身を、
① 駐車場
② 延床率
③ 将来需要
の3点から冷静に見ていきます。
① 延床10万㎡=すべてが商業ではない
まず大前提として、
延床面積=すべて売り場や店舗面積ではありません。
再開発ビルでは、延床の中に以下が含まれます。
駐車場(自走式・立体)
機械室・電気室
共用通路・吹き抜け
エレベーター・階段
防災設備・バックヤード
特に東街区のような駅直結・大規模施設では、
駐車場が占める割合は非常に大きくなります。
② 駐車場が延床を「食う」現実
※公表資料が限られているため、
一般的な都市型再開発の水準を前提に仮定すると、
東街区で800〜1,000台規模の駐車場が想定されます。
一般的に、
駐車場1台あたりの延床
→ 約30〜35㎡(通路含む)
とすると、
800台 × 30㎡ = 約24,000㎡
1,000台 × 30㎡ = 約30,000㎡
👉 延床10万㎡のうち、2.5〜3万㎡が駐車場で消える
これはかなり大きい数字です。
つまり、
「延床10万㎡」
=
「実質使える床は7万㎡前後」
という可能性が高い。
③ 延床率で見ると“特別に大きいわけではない”
次に延床率(容積)を考えてみます。
仮に敷地が約2万㎡だとすると、
延床10万㎡
→ 容積率 約500%
これは都市部の再開発としては標準的です。
東京や大阪中心部では、
容積率 700〜1,000% も珍しくありません。
つまり、
「10万㎡だから超巨大」
「これだけあれば十分」
とは必ずしも言えないのが実情です。
④ 将来需要とのズレはないか?
ここが一番重要なポイントです。
✔ 商業だけで10万㎡は埋まるのか?
少子高齢化・人口減少が進む中で、
物販中心
テナント回転型
休日依存型
の商業モデルは、今後ますます厳しくなると言われています。
実際、
既存百貨店
郊外型モール
駅前商業
の多くが 床を持て余す時代 に入りつつあります。
✔ 東街区は「来街型」に特化する必要がある
だからこそ東街区は、
何度も来る「生活機能」
ではなく
わざわざ来る「目的地」
である必要があります。
そのためには、
イベント
体験型施設
話題性
発信力
といった 回転と集客を生む用途 が不可欠です。
医療・コワーキング・交流施設など
長時間滞在・静的用途 を東街区に詰め込むと、
動線が詰まる
回転率が下がる
駅前のハブ機能が弱まる
というリスクもあります。
⑤ 延床10万㎡は「多い」のではなく「使い方が問われる」
ここまでをまとめると、
延床10万㎡のうち
→ 実質使える床は7万㎡前後
駐車場・共用部の比率は高い
容積率としては特別高くない
商業単体では将来余る可能性あり
つまり問題は、
「面積が多いか少ないか」ではない
「将来に耐える中身かどうか」
という点です。
これは商業を否定する話ではなく、
将来の需要構造に合わせた用途配分が求められているという指摘です。
次回予告
次回は、
第4弾:
「なぜ医療・交流・コワーキングは東街区ではないのか
―― 西街区・南街区との役割分担」
について、
今回の延床議論を踏まえて整理してみたいと思います。
東・西・南をバラバラに見るのではなく、
一つの街として機能させる。
それが、千里中央再開発の本当のテーマだと思っています。
🏛 今村議員からの回答
再開発の方向性がわかる貴重なご意見です。
👉
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千里ニュータウンの未来を守る会(SFD)
私たちは、この街の未来のために活動しています。
共感いただける方は、ぜひ一緒に声を届けてください。
※本件については、現在 議員の方々とも情報共有しながら
千里ニュータウンの将来のための提案を進めています。
