はじめに
三江線(さんこうせん)って?
鉄道マニアの方でもない限り、三江線がどこを走っている路線か知っている方は少ないのではないでしょうか?
三江線は島根県江津(ごうつ)市の江津駅から広島県三次(みよし)市の三次駅まで走っている路線です。路線距離108.1キロ。来年3月末に全線廃止の予定です。
なぜ廃止になるのでしょう。それは輸送人員の低下によるものと災害によるもので、輸送人員が開業以来低下し続けていたということと平成18、25年に大規模災害が起き復旧に多大な費用がかかったためと言われています。
もっぱら住民の通勤、通学にしか使われず人口の減少やバス、マイカー等への転換が増えたために輸送人員は低下し続けたと考えられます。
三江線の本数は?
三次発の列車は1日5本です。途中駅までしか行かない列車もあるので1日4本しかない駅もあります。
東の只見、西の三江という言葉もあるくらい全線乗るのは鉄道マニアでも至難の技なんだそうで、廃止が決定してからは鉄道ファンを中心に利用者が増加しているとのことです。
三江線って何がおすすめ?
車窓から見える江の川の絶景と天空の駅と呼ばれる宇都井(うづい)駅
三江線はほとんどすべての区間で江の川に沿って走っているので別名を江の川鉄道と呼びます。
ではそんな江の川の絶景を堪能するのにおすすめな座席はどちら側なのかお教えします。
江津から三次方面に向かう列車では進行方向左側、逆に三次から江津に向かう列車では進行方向右側に座ると絶景がより楽しめるとのことです。なお、ボックスシートは1両に左右に2つずつ、計4つしかありませんのでご注意ください。
沿線で一番景色のいい区間は、石見梁瀬(いわみやなぜ)~明塚間で三瓶山の景色がおすすめです!
そして三江線は全線108キロを直通列車で最低3時間半はかかり平均速度は約30キロと超のんびりな列車です。実際、30キロで走る場所も多いとのことです。
30キロでゆっくり走るので、沿線の景色をじっくり楽しめますね!
行くのにおすすめの時期は?
これからは冬に入りますが、雪の少ない(降水日数の少ない)月は2月なので2月がおすすめです!2月なら18きっぷがまだ使えないため混雑は多少マシだと思われます。
3月以降は廃止に向けて人は増えるばかりでしょう。
天空の駅 宇都井駅
宇都井駅は島根県邑智(おおち)郡にあるJR西日本三江線の駅です。この駅は無人駅でホームと待合室が地上約20mにあり、高さは日本一で天空の駅とも呼ばれています。
ただし、ホームにあがるためのエレベーターやエスカレーターはなく、116段ある階段を登らなければなりません。
また宇都井駅で降りると、列車によっては次の列車まで6時間ほどある。この時間に観光したいところ。
以下がおススメの観光スポットです。
宇都井の観光名所 蟠龍峡(ばんりゅうきょう)
蟠龍峡は比之宮地域の代表的な景勝地です。吊り橋や遊歩道が整備されていて、美しい景色を見ながら散策することができます。
モデルコース(大阪発)
日帰りで三江線を全線乗るには、新大阪を6時に出る始発の新幹線に乗らなければなりません。
以下がコースの例です。
6:00 新大阪
↓ みずほ601号鹿児島中央行
7:25 広島
7:53 広島
↓ 芸備線 三次行
9:57 三次(土休日は9:53着)
10:02 三次
↓ 三江線 石見川本行
12:18 石見川本
13:45 石見川本
↓ 三江線 江津行
14:54 江津
15:19 江津
↓ スーパーおき4号 鳥取行
18:16 鳥取
18:40 鳥取
↓ スーパーはくと14号 京都行
21:12 新大阪
さてこのルート、いったいどうすればいちばん安くいけるのでしょう?
JRでは距離が延びるほど1キロ当たりの運賃が安くなります。しかし、ルールとして同じ駅にぶつかったらそこでルートはいったん打ち切りつまり1周分の切符しか買えません。
このルートでは上郡でぶつかりますから、新大阪~広島~三次~江津~鳥取~上郡 と 上郡~新大阪 の切符を買えばOKです。
ただし、こんな買い方をするのは例えば元旅行会社勤務でJR担当だったとか、鉄道マニアの方くらいで普通の方は往復割引や乗継割引すら知らないので、こんな規定知らないのが普通ですからJRの駅員も発券に時間がかかるようです(発券依頼のときは紙に経由駅を書いて渡してください)。そして後日切符を取りに来るのがいいでしょう。
では、運賃を計算してみましょう。(1/14~16の場合)
乗換案内で新大阪~上郡 経由を 三次、江津、智頭(ちず)といれて検索すると第1経路に出てきます。その運賃(乗車券部分)は12100円です。
そして上郡~新大阪は普通に検索すると2270円です。
なので、合計すると14370円です。たとえば、新大阪~三次、三次~新大阪(経由 江津、鳥取、智頭、上郡)と買うと6800円+9510円=16310円となり、1940円もお得ということになります!
特急券(新幹線、在来線特急に乗る場合に必要)は別途買う必要があります。
JR西日本の株主優待券が5000円ほどで売られているので、それを使うのもおすすめです!この株主優待を使うと乗車券とそのルートに付随する特急券(ルート上なら複数枚も可だそうです)が半額になります。
株主優待を使った場合
24630円(新大阪~三次、三次~新大阪で経由を江津、鳥取、智頭、上郡として三次~新大阪の乗車券とそれに付随する特急券に株主優待を利用した場合)
21180円(新大阪~上郡 経由 広島、三次、江津、鳥取、智頭 と上郡~新大阪として前者の区間に株主優待を使用した場合)
さらに、株主優待を使わない場合も計算して一番得する買い方はどれくらい得なのか計算!
株主優待を使わず、経路も高い方だと31720円。
よって、31720-25680(←21180+4500)=6040円(私の場合株主優待は4500円でした)2人での旅だったので12000円もお得!!
注意1 三次駅で乗り換えが平日は5分しかないため、このルートで行くと座れない可能性大(実際にはほぼ100%座れないと思われます)なので余裕のある方は三次駅近くで一泊することをオススメします。
ただし、廃止に近づくにつれ宿が取りにくくなっているとのことです。(特に休日)
注意2 ここでは鉄道の旅を紹介しましたが、もしかすると車で行きたい方がいるかもしれません。しかし、車で行くのはお勧めできません。
まず、三江線沿線の道路は県道等であっても車がすれ違えないほど狭い道路(このような道路は酷道、険道といわれることもある)が多く、また行き違いのための退避スペースもありません。
なので対向車が来てしまうと最悪バックして前の交差点まで戻らなければならず、時間が余計にかかるリスクがあります。また車だとあまり景色を見ながら運転できないので、その点でもお勧めできません。
注意3 途中駅から乗る場合混雑しすぎて乗れないということがでてきています。(特に来年3月の18きっぷシーズンには廃止直前の列車目当てのいわゆる葬式鉄が大量に押し寄せるという予測が出ています)
特に三次10:02発の列車は大混雑との情報。理由は山陽方面からアクセスしやすく、始発列車と違い景色も全区間楽しめるからです(特に冬の始発列車だと朝はまだ暗い。特に1月は日の出が7時過ぎと極端に遅い)。
なので, 早めに並ぶ(30分前にはホームにいる)等対策が必要になってきますね。
現在、三江線記念入場券が発売されています。12/10から2018年3月31日までの発売ですが、初日には多くの人が並んでいた(発売開始時点で江津120人、浜田150人、三次はなんと500人だそうです)とのことなので購入される方はお早目に!発売駅は江津、三次、浜田で8000セット限定。(一人10セットまで)なお、各駅の割り当て枚数についてはわかりません。
追記 江津が0001から、三次が4001からの発売だそうです。ということは江津2000セット、浜田2000セット、三次4000セットと思われます。
12/15 追記 三次駅に電話したところあと100セットもないとのこと。なのでもう完売している可能性が高いです。
注意4 携帯の位置情報を利用したゲームをされる方は圏外のところもあるようなのでご注意ください。
注意5 今後、各旅行会社のツアーが予定されていて週末を中心に混雑するとの予想が出ています。
補足情報 来年3月のダイヤ改正で三江線の直通列車が各1本ずつ増える見通しです。具体的には一部区間で運用されている列車の運行区間を延長してつなげ、直通とするとのこと。
三次14:11発と江津12:34発が直通となる予定だそうです。
注意6 1/22現在、三江線は三次~石見川本間で1/11の大雪災害の影響により運転見合わせ、石見川本~江津間は一部列車が運休しています。
大雪災害の影響で、石見川本~三次駅間の運転を見合わせています。(1月26日)
2/2 運休区間は浜原~三次間のみとなりました。
参考 [1] 三江線 wikipedia
[2] 美郷町観光協会HP