木次線は島根県松江市の宍道駅から広島県庄原市の備後落合駅を結ぶJR西日本の地方交通線です。
三江線が来年3月に廃止されますが、木次線も廃止になるのではないかという噂が立っています。
参考までにJR西日本で通過人員の少ない路線を載せておきます。
芸備線 (東城~備後落合) 9
芸備線 (備中神代~東城)81
三江線(三次~江津 来年3月廃止) 83
因美線 (東津山~智頭) 195
木次線(備後落合~宍道) 204
福塩線 (府中~塩町)206
芸備線 (備後落合~三次)225
山陰本線 (益田~長門市)282
姫新線 (中国勝山~新見)326
姫新線 (上月~津山)435
美祢線 (厚狭~長門市)562
山口線 (津和野~益田)575
この中では三江線を入れてワースト5位、三江線を除いてワースト4位ということになります。営業キロは81.9キロ。この路線はほかのJR西日本の路線と同様に25キロ、30キロ制限が多くあります。
2013年度の平均通過人員は245人/日です。本当は第二次特定地方交通線に分類され、廃止対象でしたが、沿線の道路が未整備などの理由により廃止を免れました。
ただ、通過人員を見ると今後廃止されないとは限りません。現在は奥出雲おろち号という観光列車が走っています。この列車は主に観光シーズンに運転され、備後落合~宍道間を結んでいます。
この列車は乗車率が高く、島根県の観光資源となっているのでこの列車がある限りは安泰という見方があるようですが、運転開始後20年近く経過しているため今後車両の老朽化等で引退、さらにその後木次線全線廃止となる可能性については否定できません。
奥出雲おろち号について
奥出雲おろち号はJR西日本が木次線内で運転している臨時のトロッコ列車です。木次線の利用促進を目的にしたものです。年間の乗車人員は約16000人。
この列車は普通列車のため各駅に停車します。ただし、出雲市始発の列車は南宍道、幡谷、大東には止まりませんのでご注意ください。
注意 この列車は全車指定席で2両編成です。1号車は窓がなく開放的な造りになっています。2号車は簡易リクライニングシートとなっています。1号車の指定席券で2号車の同じ席にも座れるようです。(1号車分しか発売しないとのこと)
運賃は木次~備後落合 1140円、出雲市~備後落合 1940円(子供はそれぞれ半額)、指定席料金は大人520円、子供260円です。
予約はJR主要駅のみどりの窓口で行えます。そこで乗車券と指定席券を購入してください。
運転している期間と所要時間について
4月上旬~11月下旬の金土日、と祝日。GW、夏休み、紅葉シーズンは平日も運行しています。
所要時間は木次~備後落合が約2時間半~3時間、出雲市~備後落合が約4時間となっています。
沿線の見所
出雲坂根からの三段式スイッチバックと国道314号の奥出雲おろちループ!
三段式スイッチバックとは?
スイッチバックとは勾配の急な坂道を登るときにそのままでは登れないのでジグザグに道や線路を敷くこと。また、そのような線路等を運転すること。
スイッチバックは世界的に珍しいため鉄道ファンに人気です。
奥出雲おろちループとは?
奥出雲おろちループは、島根県仁多郡出雲町にある国道314号のループ線です。
区間の長さは2360m、1番目の最小半径100m、2番目の最小半径は200mで二重ループになっています。
おろちループは木次側からだと進行方向右側、逆に備後落合側からだと進行方向左側に見えるはずです。
沿線の観光スポットと食事処等
亀嵩(かめだけ)駅の駅そば(駅長そば扇屋) 駅自体がおそば屋さんとなっています。
予算 999円まで。(参考程度に)
八川駅前の八川そば!
八川駅を出てすぐのところにあります。
予算 1000~1999円。(参考程度に)
途中下車できない!って方は車内販売の牛肉弁当やアイスクリーム、プリン等がおすすめです!アイスは木次~出雲八代間(片道)、プリンも同区間で販売しています。
牛肉弁当は木次駅での販売(奥出雲和牛焼き肉弁当、前日17時までに要予約。ただし備後落合行のみ)と出雲三成~備後落合間の往復での車内販売のもの(仁多牛弁当)と両方あります。(どちらも1000円です)
出雲坂根駅にある延命水!
出雲坂根駅構内には延命水と呼ばれる湧き水があります。
停車時間が5分ほどあればその間にどうぞ。
沿線の撮影ポイント
八川駅を出て左手に進むと1つめの撮影ポイント(線路をまたぐ陸橋)があります。ただし途中下車しないと撮れないので注意してください。
2つめは出雲坂根駅の3段スイッチバックです。このスイッチバックの全景を撮るには、獣道のような道を20分程度歩かなければならず要注意です。
駅を出て国道と小川を横断した先にある旧国道314号を登っていきます!
視界が開けたらそこが撮影スポットです!
モデルプラン
出雲市から備後落合まで4時間乗りたければ、出雲市に前泊(前泊とは、当日行くと当該列車に乗れない、あるいは予定に間に合わないために前の日に現地入りして宿泊すること)して出雲市8:45→備後落合12:36の列車に乗りましょう。
木次から備後落合までなら木次10:07→備後落合12:36です。
逆方向は備後落合12:57→木次15:57です。
私が関西に住んでいるので大阪からのルートを参考にどうぞ!
1日目
大阪
↓
出雲市 (前泊)
2日目
出雲市 8:45
↓ 奥出雲おろち号
備後落合 12:36
備後落合 12:57
↓ 奥出雲おろち号
木次 15:57
木次 16:00
↓ 普通
宍道 16:34
宍道 16:41 or 17:28
↓ 特急 やくも
岡山 19:38 or 20:24
岡山 19:53 or 21:02
↓ 山陽新幹線
新大阪 20:51 or 21:47
運賃の計算をしてみましょう。
まずは普通に買ってみます。
行き
新大阪~出雲市 6480円 特急料金4660円(指定席)
出雲市~備後落合 1940円
帰り
備後落合~新大阪 7560円 特急料金4660円(指定席)
乗車券は15980円。
特急料金は9320円。
合計25300円となります。
裏技を使うと?
新大阪~備後落合 経由 岡山、米子、宍道、木次とすると 7560円
往復買うので7560*2=15120円
それに宍道~出雲市の往復(専門用語でエダという)切符を買います。
エダの切符(宍道~出雲市)は320円。
往復640円
よって乗車券は15120+640=15760円。
料金 指定席 行き 4660円(新大阪~岡山、岡山~出雲市)
帰り 4660円(宍道~岡山、岡山~新大阪)
なので4660*2=9320円。
特急料金は9320円
合計 25080円
エダをつけると220円浮きました!思ったより節約できる金額は少ないですね。普通は、宍道駅で途中下車して、宍道~出雲市の切符を改札に通し、出雲市で降りるのですが特急なので出雲市まで行ってしまいます。おそらくですが、有効な乗車券を持っているので出雲市で駅員に2枚切符を見せれば改札を通れると思います。
注意! 普通に見せる場合、新大阪~備後落合の乗車券を回収されないように注意。この切符は次の日も使います。もし、記念に貰う場合は宍道~出雲市の切符のみに無効スタンプを押してもらいましょう。
新大阪~備後落合の切符は次の日も使うので無効スタンプを押されないように注意。
両方の場合で備後落合までの切符を回収されないようにするには、多少かっこ悪いですが、新大阪~備後落合のきっぷだけを首下げホルダー(小学生がたまに首から下げて定期券を入れてるあれです)を使って中に入れた状態でみせればいいでしょう。私も18きっぷで四国に行ったとき降りる駅で危うく回収されそうになって、帰りも使います!って言ってなんとか回収されなかったことがあります。
大きな駅は18きっぷや他のきっぷの利用者がいるので慣れてると思いますが、ローカル線の駅員はおそらく定期券か普通のきっぷ(乗車駅~下車駅まで)しか見ないため定期券以外は回収するというパターンでやっているとおもいます。なので途中下車できる乗車券や18きっぷをみせるときっぷやルート等を確認せずに回収してしまうのだと思います。途中下車の場合は途中下車しますって言えばいいんですが、エダの場合は、そのまま見せるしかなさそうです。
まとめ 途中下車の場合 駅員のいる改札できっぷを見せて途中下車しますと駅員に言い、スタンプを押してもらいましょう。
エダ等のきっぷをつけたので、途中下車できる駅から外れている場合 この場合は2枚見せることになりますが、上にも書いたようにエダのきっぷは普通に見せて(記念に貰う場合は無効のスタンプを押してもらう)途中下車できるきっぷはホルダーに入れた状態で見せましょう!
私はややこしいことは嫌いなので、宍道まで特急で行って、改札で備後落合までの切符を見せて通って、改札に宍道~出雲市の切符を入れて通ります!
こういうルートでいくと安く行けるのはいいですが、切符の発券枚数が多くなるのでどのきっぷを使うかわけわからなくなりますので検札等できっぷをみせる場合はご注意を。(普通は新幹線とかでせいぜい乗車券と特急券の2枚見せるくらいですが、3枚見せてさらに見せた乗車券を次の日も使うとかありますからね)
私は指定席がほとんどなので乗車券と特急券が1枚になったきっぷを見せることが多いです。
注意 ローカル線を廃止にしたくないから貢献したい!って方は、18きっぷではなく普通の乗車券を購入してください。そうしないと通過人員等に算入されないそうです。
参考
[1] 木次線 wikipedia
[2] 奥出雲おろち号 wikipedia
[3] 出雲の国斐伊川サミット
[4] 奥出雲おろちループ wikipedia
[5] 奥出雲三段式スイッチバックの絶景と蕎麦を求めて travel.jp
[6] データで見るJR西日本2017 JR西日本